大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和31(あ)1671 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人梅林明の上告趣意第一点について。

論旨中憲法三一条違反をいう点はその実質は訴訟法違反の主張をいでず、その余

の論旨とともに刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(記録によると、被告人Aに

対する起訴状記載の公訴事実には犯行時刻を午后九時頃とあるのを午后一〇時過頃

としたほか第一審判決認定事実は公訴事実と全く同一であり、判決で認定した傷害

の具体的犯罪構成事実は起訴状記載の傷害の訴因と一致していることが明らかであ

る。すなわち、両者は、ともに、被告人が同年月日、同番地の同じ家で被害者五名

の身体を数回ずつ足蹴にする暴行をなし、よつて各被害者にいずれも同一の部位、

程度、状態の打撲傷を与え傷害罪を犯したとの事実を記載しているのである。そう

して本件において訴因変更手続をとらないで犯罪の時刻だけを右のように公訴事実

と異るものとして認定しても、被告人の防禦に実質的な不利益を生ずる虞がないと

認められるから違法ではない。それゆえ第一審判決には所論の違法はない。原判決

の所論の点に関する説示も結局右と同趣旨にいでたものと解し得るから、この点か

らしても論旨は採用できない)。

同第二点について。

原判決は証拠の取捨、事実の認定は経験則に反するを妨げないというような、論

旨引用の判例と相反する法律判断を何ら示していないこと判文上明白であるから、

判例違反の論旨は前提を欠く。所論はすべて単なる法令違反、事実誤認の主張に過

ぎず刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

同第三点について。

論旨は刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

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記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三三年四月一五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

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